歯石は、一度付いてしまうと歯科医院でしか取ることができない、非常に厄介な存在です。であるならば、最も賢明な方法は、そもそも歯石を「付けない」ようにすることです。歯石を付けないための究極の予防法、それは、歯石の元となる「歯垢(プラーク)」を、日々のセルフケアでいかに徹底的に除去できるかに尽きます。歯垢が歯石に変わるまでには、およそ48時間かかると言われています。つまり、24時間ごとに行う毎日の歯磨きで、口の中の歯垢を限りなくゼロに近い状態にリセットできれば、理論上、歯石が付くことはないのです。そのための具体的な方法を、今日から実践してみましょう。まず、基本となるのは「歯ブラシでのブラッシング」です。重要なのは、磨いている時間よりも「質」です。歯ブラシの毛先を、歯周病が最も進行しやすい「歯と歯茎の境目」に、45度の角度で優しく当て、力を入れずに小刻みに動かします。一本一本の歯を丁寧に、表側、裏側、噛み合わせの面と、全ての面を意識して磨きましょう。特に、磨き残しが多い、奥歯の裏側や、前歯の裏側は、歯ブラシの角度を工夫して、毛先がしっかりと当たるようにしてください。しかし、歯ブラシだけで除去できる歯垢は、口の中全体の約60パーセントに過ぎないと言われています。残りの40パーセントは、歯と歯の間に潜んでいます。この歯間の歯垢を除去するために、絶対に欠かせないのが「デンタルフロス」と「歯間ブラシ」です。歯と歯が接している隙間にはフロスを、歯と歯茎の間の三角形の隙間には、そのサイズに合った歯間ブラシを、毎日の歯磨きに必ずプラスしてください。この補助清掃用具を使うかどうかが、歯石予防の成否を分けると言っても過言ではありません。さらに、定期的に歯科医院でプロによる「クリーニング」を受けることも、究極の予防法の一つです。どんなに丁寧にセルフケアを行っていても、自分では気づかないうちに、磨き残しや初期の歯石が形成されていることがあります。これを、プロの目でチェックしてもらい、徹底的に除去してもらうことで、口の中を常にクリーンな状態に保つことができます。日々の完璧なセルフケアと、プロによる定期的なメンテナンス。この二つを両輪として回していくことこそが、歯石を寄せ付けない、最強の予防戦略なのです。
歯石を付けないための究極の予防法