歯周病と一言でいっても、その症状の現れ方は人それぞれです。歯茎が腫れて痛む、歯磨きのたびに出血する、口のネバつきや口臭が気になる、歯茎が下がって歯がしみる。自分の悩みがどれに当てはまるかによって、選ぶべき歯周病ケア歯磨き粉も変わってきます。おすすめされるがままに選ぶのではなく、自分の症状に合った有効成分が配合された製品を選ぶ「パーソナルケア」の発想が、効果を実感するための鍵となります。まず、歯茎の「腫れ」や「出血」が一番の悩みだという方。これは歯茎が活発に炎症を起こしているサインです。この炎症を鎮めることが最優先なので、「トラネキサム酸」や「グリチルリチン酸ジカリウム(GK2)」といった抗炎症成分がしっかりと配合されている歯磨き粉を選びましょう。また、「塩化ナトリウム(薬用塩)」や「塩化クロルヘキシジン」など、歯茎をキュッと引き締める収れん作用のある成分が入っていると、ぶよぶよした歯茎の改善に役立ちます。次に、「口臭」や「口の中のネバつき」が気になる方。これらの原因の多くは、歯周病菌をはじめとする口の中の細菌が作り出すガスや、細菌の塊である歯垢(プラーク)です。そのため、歯周病菌に対する高い殺菌力を持つ「IPMP(イソプロピルメチルフェノール)」や「CPC(塩化セチルピリジニウム)」、「LSS(ラウロイルサルコシンナトリウム)」などの殺菌成分が配合されたものがおすすめです。また、臭いの元を吸着してくれる「ゼオライト」や「銅クロロフィリンナトリウム」といった成分も効果的です。そして、歯茎が下がり(歯肉退縮)、歯の根元が露出して「歯がしみる」ようになってしまった方。これは歯周病がある程度進行した状態です。これ以上歯茎が弱らないように、血行を促進して組織の修復を助ける「ビタミンE(トコフェロール酢酸エステル)」が配合されたものが良いでしょう。さらに、知覚過敏の症状を緩和する「硝酸カリウム」や「乳酸アルミニウム」が同時に配合されている製品を選べば、一つの歯磨き粉で二つの悩みにアプローチできます。自分の口の中と向き合い、今一番困っている症状は何かを明確にすることが、最適な一本を見つけるための最短ルートです。