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抜歯後の痛みがぶり返す?考えられる原因
歯を抜いた後、数日間は痛みが続くのが普通ですが、一度は治まったはずの痛みが、数週間、あるいは数ヶ月経ってから再び現れると、何か悪いことが起きているのではないかと非常に不安になるものです。抜歯して歯がなくなったはずの場所に痛みがぶり返す場合、抜歯した穴(抜歯窩)の治癒過程に何らかの問題が生じているか、あるいは骨の中にトラブルの原因が残っている可能性があります。抜歯後のトラブルとしてよく知られているのが「ドライソケット」です。通常、歯を抜いた穴には血液が溜まって血餅というゼリー状の塊ができ、これがかさぶたの役割を果たして傷の治癒を促します。しかし、強いうがいなどでこの血餅が剥がれてしまうと、顎の骨が露出し、そこに細菌が感染して激しい痛みを引き起こします。通常は抜歯後数日で発症しますが、治癒が長引く原因となることがあります。また、より長期的な痛みの原因として考えられるのが、「残根(ざんこん)」の存在です。抜歯の際に、歯の根が折れて非常に小さな破片が骨の中に残ってしまうことがあります。小さな破片は、問題を起こさずに骨と同化することもありますが、体が異物と認識して排出しようとしたり、感染を起こしたりすると、後になってから歯茎が腫れたり、鈍い痛みを感じたりする原因となるのです。さらに、抜歯した歯の根の先に、もともと「根尖病巣」という膿の袋があった場合、抜歯時にその病巣組織を完全に取りきれないと、骨の中に炎症が残り、痛みが再発することがあります。稀ではありますが、より深刻なケースとして、骨の中に新たな嚢胞(のうほう)という膿の袋ができていたり、細菌感染が顎の骨全体に広がる「顎骨骨髄炎」に進行していたりする可能性もゼロではありません。これらの状態は、持続的な痛みや腫れ、場合によっては痺れなどを伴います。抜歯後の痛みがなかなか引かない、あるいは一度治まった痛みがぶり返してきたという場合は、治癒過程で何か問題が起きているサインです。放置せずに、必ず抜歯を行った歯科医院で診察を受け、原因を特定してもらうことが重要です。