親知らずの抜歯を決意してから当日を迎えるまで、私の頭の中は痛みへの恐怖でいっぱいでしたが、実際に抜歯を終えた後に直面したのは血餅という聞き慣れない存在との戦いでした。抜歯直後、歯科医師から「血餅は絶対に剥がさないでください」と念を押され、口の中に溜まる血の混じった唾液を吐き出したい衝動を必死に抑えて帰宅しました。抜歯後3時間の時点では、鏡で見ると抜歯した場所に赤黒いゼリーのような大きな塊があり、これが剥がれたら激痛が走るのだと思うと、食事を摂るのも怖くて仕方がありませんでした。翌日になっても血餅はそこにありましたが、少しサイズが小さくなったように感じられ、表面が少しだけ白っぽくなっていました。ネットで検索すると、剥がれるとドライソケットになると書いてあり、1日中傷口のことが気になって仕事も手につきませんでした。抜歯後3日目の朝、鏡を見て驚いたのは、血餅の表面が全体的に白く変色し、まるで食べかすが詰まっているか、膿が溜まっているかのように見えたことです。思わず爪楊枝で取りたくなりましたが、事前の説明を思い出し、ぐっと堪えて歯科医院へ消毒に向かいました。先生からは「順調な経過ですよ、この白いのはフィブリンという治るための成分です」と言われ、心の底から安心したのを覚えています。4日目から5日目にかけては、抜いた場所の違和感はありつつも、血餅がしっかりと穴に定着している感覚があり、少しずつ柔らかいものを噛めるようになりました。抜歯後1週間が経つ頃には、白かった表面がピンク色の歯茎に馴染んできて、穴の深さも浅くなっているのが分かりました。振り返ってみると、血餅の経過は1日ごとに劇的に変化し、そのたびに不安になりましたが、正しい知識を持って「触らない」というルールを守り続けたことが、トラブルなく治癒に向かった最大の要因だったと感じています。親知らずの抜歯は後のケアが大変だと言われますが、自分の体の中で血餅が組織に変わっていくプロセスを静かに見守る時間は、生命の神秘を感じる経験でもありました。これから抜歯を控えている方には、鏡を見すぎず、血餅という小さな味方を信じてゆっくり休んでほしいと伝えたいです。
親知らずを抜いた私の血餅が白く変化するまでの経過日記